二〇一一年二月二四日・其の参

僕はシャワーを浴びてゐた。洗顔をしてゐて、ふと、顔面の違和感に気付く。リップのピアスのボールが取れてゐた。此れは困つたな、と思ひつゝ、代はりのボールをピアス容れから探した。リップのピアスは14Gで、14Gのリング用のボールなら沢山あるのにバーベル用のボールで丁度良いサイズの物が―どれもリップにつけるには大き過ぎた―一つも見当たらなかつた。他の場所のピアスのボールと取り替へようかとも思つたが、それでは其処のピアスが左右不揃ひに為つて仕舞うものばかりで、僕は途方に暮れた。