呪ちゃん本日の奇行
朝9時過ぎに錠剤を飲み込み寝ようとしてみる
↓
10〜11時にtwitterでツヰートしてゐるが記憶なし
↓
勿論ベッドに入つた記憶もなし
↓
↓
↓
18時過ぎ起床
↓
ロフトから降りた瞬間目にしたのが倒れたクローゼットとCDケース
↓
痛い左手を我慢し乍もなんとか復旧
(かなりの力技だつたのでまた左手の腱鞘炎が悪化しないか心配)
↓
取り敢へず部屋は記憶にないものが錯乱
↓
数日見つからず必死で探してゐた2種類それぞれ30錠くらゐの眠剤が普段遣ふ薬いれに
(そして勿論記憶にないが空パッケージからして数錠飲んだ形跡あり)
↓
昨日購つた財布が行方不明且つ前から遣つてゐた財布の中にはJCBカード3枚と諭吉1枚のみ
↓
捜索の結果何故そんなとこにあるのか分からない場所(物入れの裏)にカードと小銭と札が錯乱
(ついでに何故そんな場所にあるか謎な新品財布も発見)
↓
電子レンジに加熱したかは分からないが何故かウイスキー
(しかも蓋の部分にラップ)
↓
調理台の上にはコップに牛乳、おまけに調理台の上に牛乳が大量に零れてゐる
↓
更にレンジの中のウイスキーとは別のウイスキーをソーダ割りにした形跡あり
↓
冷蔵庫を開けると何故かたこ焼きソースが全部空でしかも冷蔵庫の中に全部ぶちまけてあつた
↓
更に最悪なことに携帯電話がメールやネットは出來るけど通話不能状態
(相手の聲も聴こへないし、自分の聲も相手に届いてない)
確かに呪ちゃんは眠剤の所為でよく健忘を起こすけど、こんな酷いのは流石に初めて。
正直、凹んでゐる。
凹み過ぎて、食物はないけど購ひに行く気力も冷蔵庫の中の材料で作る気力もない。
お金ないのに、携帯、修理?機種變?
嗚呼、なんかもう、なんかもう…。
家賃足りなくなるんとちやう?
寝違へか如何か分からないが、取り敢へず左肩が痛い、が健忘中の怪我か如何かは謎。
此れこそ奇行つてやつだらう?
二〇一一年二月二八日
僕は起きる。いつものベッド、いつもの布団、いつもの枕にいつものシーツ。いつも通りに今が何時か分からない。
黒いシーツに精液が数箇所こびりついて乾きゝつて白く為つてゐる。僕は其れを見て溜息をつく。また洗濯しなくちやいけないぢやないか、と思ふ。
二〇一一年二月一日
僕は母とHと3人の男と住んでゐた(その内二人は現実世界での僕の友人でもう一人は坊主頭の見知らぬ男だつた)。Hは僕に優しかつたが、母や男達は僕によそよそしく、そして同時に冷たかつた。僕はH以外とは殆ど会話がなかつた。
ある日Hが僕に「蜜仔さんは今日、映画と食事どちらに行くんですか?」と訊いて來た。如何やら母と男達は二手に分かれて映画と食事に出掛けるらしかつた。僕は誘はれてゐなかつたのでその時初めてその事実を知り「え…」と困惑すると同時にとても哀しく為つた。僕だけ除け者にされてゐたのだ。Hはそれを見て「まア俺はどつちも行かずに家にゐますけどね。」と云つて呉れた。(恐らく彼は其の前に両方とも誘はれてゐて本当に外に出るのが面倒でどちらの誘ひも断はつたのだらう)
―場面が移る。―
その家には割と大きめの茶の間があつた。中央に新しくはない大きい木製の食卓と八人分程の同じく木製の質素な椅子が並び、皆食事を摂る為に席に着いてゐた。僕は左側の一番奥の席に座はつてゐた。母は僕とは丁度点対称の位置に座つてゐて、Hは僕の向かひ側に座つてゐた。見知らぬ男は母の向かひに座り、他の男達も席に着き―つまりその家に住む全員が―皆ご飯を食べてゐた。母が炊飯器から皆にご飯をよそう。僕には僕専用の炊飯器があり、僕だけそこからご飯を食べなければいけなかつた。僕が炊飯器の蓋を開けると、中には一号よりも少ない程度の白米が、最早白米とは云へない状態にこげつきこびりつき茶色くカリカリになつて入つてゐた。他の皆のご飯が入つてゐる炊飯器の中には美味しさうな白米が入つてゐた。
僕が「如何して僕だけ炊飯器が別なの?」と問ふと、一人残らず沈黙した。
二〇一一年一月二七日
実家の近所の家ではドーベルマンを飼つてゐた。其のドーベルマンはとても大きく凶暴で既に何匹か近所の犬を嚙んで滅茶苦茶にしてゐた。
近頃其のドーベルマンが放し飼ひにされてゐて、僕の家の近所をもうろついてゐたので僕は心配してゐた。ある日勝手口を開けて外を見るとドーベルマンが家の庭にゐた。僕の愛犬のステラも庭にゐたけれど、その時はドーベルマンが大きな顔をして庭をのさばつてゐたゞけなので「またこいつか」と思ひ乍あまり気に留めなかつた。
暫くして勝手口からもう一度確認してみるとドーベルマンが大きな体でステラの上にのしかゝつてゐた。僕は「しツしツ」と追ひ払はうとしたがなかなか動かない。僕もドーベルマンが怖かつた。―何しろ其のドーベルマンはとても凶暴なのだ。とても大きく、見た目も怖い。―だけど、ステラは血だらけでぐつたりしてゐた。死んでゐるのかも知れなかつた。僕は怒つてドーベルマンの躰を殴つて蹴つてなんとかどかさうとしたが一向に動かない。ステラは血まみれのずたぼろだが、ドーベルマンにも少しだけ傷があつたのでステラも必死の抵抗をしたのだらうと思つた。だけどボーダーコリーのステラと、凶暴なドーベルマンぢや勝敗は目に見えてゐる。
ドーベルマンがちつとも動かないので僕はドーベルマンの飼ひ主の家に直接文句を云ひに行つた。家の庭にやつて來たドーベルマンの飼ひ主はドーベルマンは連れて帰つたけれど「うちの犬をこんなに傷だらけにして!」と怒つてゐた。僕は傷だらけで死にかけなのはステラではないか、と思ひ激昂して「ふざけんな、リードにつないでおけよ!常識だらう!」と怒鳴つた。飼ひ主の家には他にも女が二人ゐて其の二人は酷く傲慢で、見た目もパつとしない女達だつた。
その家の前を通つた時に女達に塀越しに文句を云はれたので僕は「五月蠅い、此の売女も出來ないブスめが!」と大声で罵つてやつた。
それから家に帰ると我が家で緊急会議が開かれてゐた。其のドーベルマンに飼ひ犬を滅茶苦茶にされた(ある犬なんかは嚙み殺された)家の人達が集まつてゐた。其の放し飼ひにされてゐる凶暴なドーベルマンと非常識な飼ひ主を如何するか、と云ふ議題だつた。
皆がテーブルを囲んで椅子に座つてゐた。僕は母親に「僕も参加させて」と云つたが僕の分の椅子はなかつた。テーブルの隣に金属の小さな台と硝子の器の様なものを積み重ねたシャンパンタワーに似た形のオブジェがあつた。その金属の小さな台を椅子にしようと思ひ、硝子の器の様なものをいくつもどかしたけれど、金属の台は台ではなくたゞの棒になり、いくら硝子の器の様なものを外しても棒でしかなく、僕が座る席はなかつた。
二〇一一年一月二二日
暗闇の中赤外線ランプの光で赤く照らされた蛇の飼育ケージが3つ並んでゐる。左から順にカピス、No.3、リコリスだ。
カピスは随分太く大きく為つて餌を食べた直後の様にお腹の辺りが膨れてゐた。立方体の硝子ケージの中では狭いくらゐに大きく為つてゐたし、色も白色からアメリカのキャンディみたいな鮮やかな赤にオレンジや黄色が入つた色に変はつてゐた。僕は色が変はつてゐることには何の疑問も持たず、お腹が膨れてゐることが気になつて眺めてゐたら躰に脱皮した皮が張り付いてゐることに気が付いた。ちやんと脱皮出來てゐるかなア、とケージ越しに眺めてゐると硝子の扉をないものかの様にするすると此方に通り抜けて來た(さう、お化けがそんな風に壁を通り抜けると云はれてゐるみたいに)。僕の方に近付いて來たカピスの頭は僕の握り拳くらゐの大きさに為つてゐたし、躰もそれに見合つた太さと長さに為つてゐた。
間近で見てみると脱皮不全をおこしてゐて、所々に上手に脱皮しきれなかつた皮が張り付いてゐた。剥いてやらうと思ひ手でぱりぱり一部分の皮だけ剥いて、思ひ留まる。―さうだ、ぬるま湯に浸してから剥かないと―、と。
僕はカピスを持つて歩いた。其処は學校の様な場所でトイレの前に理科室の様な銀色のシンクがあつた。丁度いゝと思ひ、水温をぬるま湯程度にして水を張り、そこにカピスを入れる。カピスはシンクの中をうねうねと泳いでゐた。そろそろ皮もふやけた頃かな、と思ひ僕は剥け切つてゐない皮を剥がし始めた。
一枚剥がすと、新しい皮まで剥がれて仕舞ひ白い肉が剥き出しに為つた。僕は焦つて近くでよく見ようと思ひカピスを手に取つて薄暗い中で目を凝らしまじまじと眺めた。すると、頭の少し後ろの部分の腹側の肉が爛れてゐた。其処だけ細くなり、赤い肉が飛び出してゐる。僕が其れを眺めてゐるとたまたまトイレに來た男の子が僕と蛇を見つけ「ひいッ」と聲をあげた。僕はそんな男の子の事は気にせず、カピスの爛れた肉を見て酷く動揺してゐた。